響きの杜クリニックの医療

私の専門は産婦人科です。約20年間の勤務医生活を通じて、産科ではたくさんの生命の誕生に立ち合い、婦人科ではガン患者さんの死をたくさん看取ってきました。毎日、生と死が交差する現場で仕事をしていると、自ずと生きる意味、死の意味を問われる場面に遭遇します。

そしてさまざまな体験を経て私は、自分たちが大きな生命の循環の中にいることに気がつきました。

そして、いまここに生きていることが、どれほどかけがえのないものであり、いかにたくさんの命に支えられているかを感じています。

ここで生きていくということは、さまざまな体験を通じて、自分の意識を成長と進化させていくことに他なりません。

医療とは、ただ単に病気を治して延命処置をするのではなく、この意識の成長と進化をサポートするのが本来の役割ではないかと思うに至りました。

そしてこのような医療を実践する場として10年前に札幌市の円山公園のすぐ近くに響きの杜クリニックを開業したのです。

クリニックの目指すものは、響き合う医療です。

「こころと身体、ひととひと、ひとと環境(宇宙)、すべてが響き合ったときにひとは健康に生きることができる」を理念とし、響き合い、すなわち調和をめざすことで本来持っている自然治癒力の発揮をサポートできる医療を目指しています。

私は宇宙をたった一言で表現するのであれば、それは調和であると考えています。

そして宇宙や自然と一体となり調和することが健康につながると考えています。

しかし、宇宙は常に調和の状態に留まっているのではなく、わずかに揺らいでいます。ちょうど「やじろべえ」が、揺れてバランスをとっているかのようです。

自然治癒力とは、文字どおり本来誰にでも備わっている治癒する力、バランスを回復する力のことです。これが、不調和を調和に戻す力です。

この力は、普段は存在しません。調和から揺らいだときにのみ現れます。まさに「やじろべえ」が戻ろうとする力そのものなのです。

響きの杜クリニック