私のところを受診される患者さんの中で比較的多いのは、月経前に体調不良となる月経前症候群(PMS)、めまいや動悸などの自律神経失調症、主に40代後半から多く見られる更年期症状の患者さんです。
一般の婦人科クリニックでは、このような患者さんに対して、低用量ピル(LEP)や、精神安定剤、そしてホルモン補充療法(HRT)などを用いて治療していくことが多いと思います。
しかし、私のクリニックでは西洋薬はできるだけ使わずに、漢方薬やプラセンタ注射などを用いてかなりの効果を上げています。
ただ、ここ数年来、とても気になることがありました。疲れやだるさを訴える患者さんが増えていること、しかも訴える疲れやだるさの程度が半端ではないことです。
「仕事を終えて家に帰ると疲れて動けない」
「倦怠感が強く何もできない」
「食事を作る元気もない」
「着の身、着のままで寝てしまう」
「週末は、外出する元気もなくて家でずっと寝ている」
多くの患者さんがこのように言うのです。これはちょっと尋常ではない疲れ方です。
しかも、ほとんどの方は、内科など他科をすでに受診しており、血液検査で何処も悪くないと言われているのでした。
私は、これは単なる仕事の疲れだけではないと確信し、症状についてさらに詳しく聞くことにしました。
するとほとんどの人が“冷え”を自覚していました。それもただの冷えではなく、
「何をしても暖まらない頑固な冷えがある」
「お風呂から出ても、すぐに冷えてしまう」
と口をそろえて言うのです。さらに聞いて行くと、
「肩はもともとガチガチ」
「肩がこりすぎて感覚がない」
と当たり前のように肩が凝っています。
また、目の疲れや乾燥感もほとんど伴っています。
すなわち、ひどい疲れとだるさ、頑固な冷え、ひどい肩こり、目の乾燥という五つの症状を同時に抱えている患者さんがとても多いことに気がつきました。
さらに、台所に立つと具合亜悪くなる、森の中に入ると楽になるなどの帯電障害特有の症状があることがわかりました。
そこで試しに私が、「何かに触ると、静電気がバチバチ来ることはありませんか?」と聞いてみると、
ほとんどの患者さんが
「そうなのです、静電気で困っています」
と言われるのです。