こうして帯電障害が確定する

帯電障害であることを確定するには、まず、帯電量の測定が必要です。

 

〇帯電量の計測

帯電圧の測定は専用の計測機器を使って行います。機器はネットで手に入れることができます。クリニックで使っているのは、「Fieldmeter FM6」と「PeakTech 3355」の二種です。

どちらもアースとることで正確に測定することができます。FM6は、測定ゾンデを使って空間の電場・磁場を測ることができます。電磁波の発生源を探索したり、家電機器から出ている電磁波を測ることができます。当初は身体の帯電圧の目安として、この探索子測定ゾンデを用いて身体の体表電場(V/m)を測定していました。一方、「PeakTech 3355」は金属棒を握って身体電圧(V)を測定する機器です。

Fieldmeter FM6

測定の手順は、クリニックは床もアース構造のためまずイスに座って足を床から浮かせて周囲と絶縁状態で帯電圧を計測します。身体に帯電している電圧は、季節や周囲の電磁波環境によっても異なります。

冬期や、近くに家電があれば帯電量も増えてしまいます。クリニックの診察室は、パソコンやノートパソコンがありますが、それぞれアースを取っているため電場の発生はわずかです。しかも床全体がアース構造になっているので身体の静電気は常に抜けている状況です。

このような環境で仕事をしている私自身の帯電圧は通常、体表電場が30V/m程度で、身体電圧は0.40V程度です。 

一方、帯電障害を訴える患者さんはほとんど体表電場が60V/m以上で、ひどい症状の人は100 V/mを超える人もいて帯電圧と症状が相関していることがわかりました。

私のところでは表面電場が、軽度(30~60 V/m)、中等度(60~90 V/m)、高度(90 V/m~)、身体電圧は、軽度(0.60 V)、中等度(0.70 V)、高度(0.80 V~)を大体の目安にしていますが、これはあくまで参考値です。

帯電していることが確認されたら、いよいよアーシングによる静電気のデトックスを行って、症状の改善を確認するのです。

〇静電気デトックス

そこで、身体に溜まった静電気を放電するために、当クリニックオリジナルのアースシートに足を乗せてもらいます。靴を脱げば靴下をはいたままでもかまいません。

アースシート(ひびきシート)

これは導電布に特殊なエネルギー加工をした50×50㎝程の特製のシートです。シートにつないだアース線のもう一方は、直接室外の地面に刺した鉄杭と接続してあり、コンセントのアース端子を使うよりもアース効果を良好に得ることが出来ます。

患者さんにアースシートに両足を載せてもらうと、それだけで帯電量の数値は見る見るうちに下がります。

そして数分もしないうちに、身体に共通した変化が表れます。

まずは、足の裏がピリピリしてきます。もしくは少し温かく感じてきます。

そしてピリピリが足首からだんだん上がってきます。

このピリピリは電気が流れているのではなく、実は帯電により収縮していた血管が拡張することで血液が流れ始めるからなのです。

ちょうど正座をしたあと、足を伸ばして血液が流れるときにしびれるのと同じなのです。

ということは、帯電しているときの手足の末端には、血液がほとんど届いていないことになるのです。

血流が改善すると、ピリピリが太ももを通ってさらに上がってきます。と同時に、身体がポカポカと温かくなってきます。顔が上気したり、上半身が汗ばんできます。そして掌が赤くなります。これは全身に血が回っている結果です。

次に、身体がどんどん楽になってきます。肩を動かしてもらうと「あれ?肩が軽い!」という言葉が出るくらいです。そして目が楽になります。視野が明るくなる、ものがはっきり見える、ことが実感できます。

その他「頭痛がおさまった」「ピリピリする感覚が消えた」「めまいが楽になった」「耳鳴りが軽くなった」等々、それまでの症状の改善がほんの数分で認められるのです。

患者さんはそこで初めて自分が苦しんでいた症状の原因が電磁波による血流障害であったことに気づき、そして確信するのです。

興味深いことに、こちらが確認しなくても自分から、そう言えば…と、心当たりについて話し始める方がいます。

「家電量販店に入ると身体がしんどくなっていた」

「家の近くに携帯電話の基地局が建ってから身体の調子が悪くなった」

「電車に乗ったり、車で長距離運転をした後にだるさが残った」

「テレビを見たり、携帯を使うのがいやだった」

といった経験をふり返り、さらに、

「しんどくなると自然の豊かな場所に行っていた」

「水や砂に足をつけるとスッキリした」

「温泉に行くと身体がとても楽になる」

「木を見るとすぐにハグをしたくなる」

など、身体が無意識にアースをしたがっていたことを窺わせる点においても患者さんに共通しています。