今まで、お伝えしたように病気とは、身体が不調和な状態にあることを言います。そして、症状とは、病気の結果心身に表れた兆候です。もう一つ重要なのは、症状は病気に対して自然治癒力を発揮させるため、もしく発揮しているサインでもあるということです。
病気は、症状をつうじて、我々の今までの生き方に問題があったことを教えてくれているのです。それに気づいて生き方を正す、つまり不健康な生活習慣を改め、原因となった物質を取り除く、身体を元気にするための修練をするなどにより自然治癒力が発揮されて治癒に向かいます。症状自体は身体が治癒に向かうための反応でもあります。
良く知られているのが、発熱です。病気で熱が出るのは、熱により身体の循環を活発にすると同時に免疫細胞が働きやすい環境を作るための身体の反応なのです。この反応を解熱剤で抑えてしまうと逆効果になります。むしろ熱が十分出切るように身体を温めて発汗させる方がよいのです。
もう一つわかりやすい例を挙げてみましょう。やけどをしたときに皆さんはどう対処しているでしょうか。一般にはすぐ冷水をかけて冷やすように指導されます。確かに、すぐ冷やすと気持ちがよいし皮膚の感覚が鈍くなって痛みを感じづらくなります。しかしこれは、対症療法で押さえつけるため却って治りが遅くなります。本当に治癒力を発揮させたかったら逆に患部を温めることです。私もやけどをしたとき半信半疑で熱い湯に手を入れてみました。最初は患部がかなり痛みます。それを耐えてしばらくすると痛みが消えてしまいます。そして水ぶくれに進行することもなく跡形もなく消えるのです。皆さんもぜひ試されることをお勧めします。最初は勇気がいりますが、次からは周囲の人たちに勧めるようになるでしょう。
これは、類似療法と言って、西洋医学の症状を抑える対症療法とは正反対の「似たものが、似たものを治す」ホメオパシーの理論でもあります。