身体に電気を溜めない方法

私たちの身の周りにある家電製品は、電磁波を発生し電場と磁場の双方から心身にダメージを与え、自律神経を乱す原因になります。

そこで次に、できるだけ電気を浴びない、溜めないための方法について挙げます。

〇家電製品から距離を取り使用時間は短めに

一番のポイントは、家電製品の傍にいる時間をできるだけ少なくすることです。

電磁波の人体への影響(被爆量)は、「強さ×時間」で表されることから、強い電磁波を放つ家電製品や電子機器ほどできるだけ使用時間を短く抑え、発生源から距離をおくことが重要です。

言い換えれば、電磁波は距離の2乗に反比例して弱まっていくので、発生源から遠いほど、その影響も弱まるのです。

特に、IH調理器は強い変動磁場が発生し、開放させて利用するため、すべての家電製品の中で最もリスクの高い製品です。

国際規格では、調理器から30センチの距離に設定し、防護基準を定めていることから、電磁調理器を使用する際には、30センチ以内には近寄らないことが賢明です。

また、使用時間もタイマーなどで計るなど、できるだけ短い使用に留めましょう。

ほかに強い電磁波が発生する家電製品は、ノートパソコン、冷蔵庫、食器洗浄機、ミキサー、洗濯機、乾燥機、ドライヤー、充電式の電動歯ブラシ、清浄機、電気ストーブなどで、これらの使用は短時間にするなど、稼働中に離れられる場合には離れておくのがベターです。またはこれらの近くではアースシートを設置して、その上に載ることをお勧めします。

(株)レジナホームページより引用

さらに、次のようなことを心がけることで、少しでも帯電量を軽減できます。

・パソコンの無線LAN(Wi-Fi)を有線に替える。

・使っていない延長コード、タップ、家電製品のプラグ(コード)をコンセントから抜く。

・直接肌に密着して使用する電気毛布やホットカーペットの使用は極力控えるか、事前に温めておいてから使用する前に電源コードを抜く。

*ホットカーペットは電場、磁場とも強く発生する機器で、最近は電磁波カットを謳う商品を見かけるようになりましたが、そのほとんどが磁場カットのみで、電場への対策はされていないようです。

・ドライヤーは低出力で短時間の使用ですませる。

・家電製品やOA機器などは電磁波の強度が高ければ、配置場所を変える。

・腕時計や貴金属類は長時間身につけないなど……。

このようなちょっとした心がけで電磁波の被爆量を減らせ、帯電防止につながります。

〇携帯電話は耳から3センチ離して

 携帯電話、PHS、コードレス電話の使用はできるだけ短くするか、有線電話を使用するのが望ましいです。

耳から離せば離すほど電磁波の影響は少なくなるので、聞こえにくくなる限度の3センチほど離せばよいでしょう。

特に、乳幼児や子供の近くで携帯電話やコードレス電話を使用しない(6メートル以上は離れる)こと。

PHSの電波は、ほかの携帯電話の10分の1程度なので、それだけリスクが少ないと言えます。いずれにしても、使うときはできるだけ頭から離し、できればイヤホン・マイクを使うとダメージも弱まります。

携帯電話の電磁波影響については、SAR値である程度は知ることができます。

SAR値とは、人体頭部の傍で使用する無線機器から送出される電磁波の影響を評価するための数値で、わかりやすく言うと脳の電磁波の吸収量です。

ですので、携帯電話を購入したり、機種変更をする際は、なるべくSAR値の低い機種を選ぶようにしましょう。

また、携帯電話は、絶対に上着やズボンのポケットに入れず、身体から離れたバッグなどに収納しましょう。

これは、心臓や胸部への影響や低温やけどが発生する可能性が否定できないからです。

〇テレビを見るときは2メートル以上離れて

テレビから出る電磁波(磁界)はおよそ20mGとされ、また2mG以上の磁界が発生するところでは、小児白血病が1.93倍、小児筋肉腫瘍が3.26倍の発症率になることがわかっていることから、米国のサンフランシスコ市では、妊婦はできるだけテレビ画面を見ないこと、ブラウン管から1メートル以上離れるなど、さまざまな規定が定められています。

したがってテレビを見る時は、1~2メートル程度離れて見るようにしましょう。

 最近では、電磁波(磁界)の発生を抑えたプラズマテレビ・液晶テレビが発売されているので、そのようなものも選択肢として検討してみるのもいいかもしれません。

また、テレビゲームなどは遊んでいる間、常にコントローラーを握っているため、パソコンの帯電と同じ状態です。最近はゲーム機にもアース線のついた製品が登場しているので、その場合は必ずアース接続をするようにしましょう。

モニターとの距離もできるだけ離し、使用時間も極力短くすることで帯電を防ぐことが重要です。

〇寝室や子供部屋には家電製品は置かない

 夜、眠っている間は、同じ場所でほとんど動かないこともあって、日常生活の中で最も電磁波ストレスを受けやすい状態になります。

したがって、寝室や寝る場所の近くに電磁波発生源があると、その影響を毎日少しずつ受けるので、特に注意が必要です。

帯電障害や電磁波過敏症の方々が不眠を訴えるケースが多いのは、電磁波がメラトニンの働きを阻害していることと関係があると考えられています。

ですから、特に睡眠中は電磁波発生源を傍に置かないことが重要です。

たとえば、100Vの電源を使う家電製品は寝室で使わない、必要のない電源コードは抜いておくなど。

 また、ベッドの材質によっても電磁波の影響が変わります。

木材のベッドが理想で、金属枠やベッドそのものが金属でできていると、交流電場が非常に強まるので帯電しやすくなります。

特に金属バネがあるマットレスの場合、ベッド全体に交流電場が発生するので避けたほうが無難です。

シーツや布団などの寝具も、帯電しやすい化学繊維のものよりも、綿などの天然素材が身体に良いことは言うまでもありません。

 また、子供部屋で使われている照明などにも注意が必要です。

 最近、省エネ化で普及してきたインバータ式(高周波点灯)蛍光灯は、周波数を数万ヘルツに変調してチラツキをなくしているので、強い電磁波を発生します。

よく子供の勉強机にインバータ式蛍光灯が使われていることがありますが、天井照明と違って、身体との距離が短いことからリスクが高く、お勧めできません。

また、寝室が2階以上にある場合、盲点となることがあるので注意が必要です。

それは、寝室では電気製品を使用していなくても、電磁波の影響を受けている可能性があるからで、その原因は1階の天井裏にあります。

つまり、1階の天井にぶら下がっている照明器具や、2階の床下を縦横無尽に走っている屋内配線から発生する電磁波です。

屋内配線からの電場の発生状況は、建物構造や部屋の部材などによっても違い、仮に屋外からの高周波を防ぐシールドカーテンなどを使ったとしても、却って室内で発生している高周波などが乱反射してしまう可能性がありますが、最近は吸収して乱反射を起こさない素材も出てきていますので、気になる場合は専門家に相談した方がよいでしょう。

〇衣類は静電気が起きにくい素材のものを

ウールや化学繊維などの静電気が起きやすい肌着や衣類を避けて、綿や麻などの静電気が起きにくい自然素材の肌着や衣服を身に着けることがポイントです。

特に、最近流行のフリースやヒート系の肌着には化学繊維が多く含まれていて、容易に静電気を発生させるので要注意です(静電気が起きやすい素材は組み合わせによって異なります)。

私のクリニックでは、「うさとの服」の展示会を年に2回行っています。うさとの服はタイのチェンマイを拠点に、「さとううさぶろう」というデザイナーが制作している服で、タイの山岳民族が綿、麻(ヘンプ)、絹から手紡ぎ、天然染め、手織りの布を元に、工場ではなく地域単位や個人単位の縫製グループによって製作されたものです。

身に纏っただけでその心地良さを実感できますが、自然素材であること、フェアトレード(相手を尊重した取引)であることに加え、静電気が起きにくいことも、その心地良さの理由の一つだと思います。

展示会開催期間中、クリニックではスタッフ全員がうさとの服を着て診療を行っています。白衣と違って身体がゆるんでとてもリラックスできます(看護スタッフからは、ゆったりしすぎてペースが上がらないという声も聞こえてきますが)。

〇歯科金属を外す

水銀を含むアマルガムやパラジウムなどの歯科金属自体の安全性の問題は、電磁波と同様に意見が分かれています。しかし電磁波環境の中では、歯科金属に電流が流れることによる金属の腐食や溶出が起こり、金属自体の影響による歯痛や湿疹、アトピー、脱力などの体調不良を訴える患者さんが何人もいます。ある患者さんは、小学生の時に歯科金属を入れた直後から体調不良を起こし、30年後に歯科金属を外してから徐々に症状が改善し始めました。た方がいます。アーシングしても症状の改善が思わしくないかたは、歯科金属をノンメタルのものに交換することも考えられたらいかがでしょうか。ただ、保険外のためかなりの金額がかかること、削った歯科金属を吸い込むことで却って体調を悪くすることがありますので、専門の歯科医に依頼するのがよいでしょう。

〇寝るときは北枕で

地球の磁力線は、南から北に向かって流れています。

なので、地磁気の方向に沿って頭を北にして(北枕)、北向きに寝るのがお勧めです。

北枕にすると、脳の磁場や身体磁場を乱すことがないからで、これは風水的に見ても気の流れが良くなると言われています。

一方で、磁力線を横切る方向に寝ると、身体に電流が溜まりやすくなります。

ヨーロッパに海外旅行に行くとき、南周りで磁力線を横切って飛ぶよりも、北極経由のほうが時差ぼけになりにくいのも同じ理由です。

〇抗酸化ビタミンやミネラルを積極的に摂る

帯電の影響を少しでも減らすためには、バランスの取れた栄養補給も大事です。

 電磁波ストレスは活性酸素を増やして身体を酸化させるので、ビタミンC、ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンや、マグネシウムやカルシウム、亜鉛などのミネラルを積極的に摂るのが望ましいでしょう。

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