身体の電気を抜く方法

〇自然と触れあう

一番お勧めの方法は、緑の多い公園に行って、土の上を歩いたり、芝生に座ったり、木に抱きつくことです。

波打ち際の砂浜を裸足で歩くのも有効です。足の裏から砂の中に帯電した静電気が流れて行き、とても気持ちがよいです。

私も以前に田植えをしたことがありますが、ぬかるみの中にいるだけで、とても癒されたことをはっきり覚えています。

欧米ではポピュラーな健康法の1つである、大地とつながる「グラウンディング」についてご紹介しておきましょう。

その方法は、毎日、地面に30分ぐらい素足で立つか、歩くことです。

特に、アーシングに適しているのは、早朝に露を含んだ草地を裸足で歩くことです。

露に含まれる水分が、効率よく地面と足の通電を行うからです。

ですから、乾いた土地よりも濡れた大地のほうがより効果があり、ヨーロッパでは素足で歩くことができる草地が多くあって、多くの人が早朝の草地で散歩をしているのもそれだけナチュラルアーシングに対する意識が高いからです。

素足で地球と接続する。これをアースコネクションとも言いますが、最近の研究によると、素足で大地に触れると、地表の電子が供給されて体内のイオンバランスがはかられて身体が元気になることもわかってきています。

大地にアースする(繋がる)ことで身体に電子がチャージされると、余分な活性酸素(プラスの電気を帯びたフリーラジカル)は中和されることから、アーシングは身体の酸化を防ぎ、老化の予防(アンチエイジング)にもつながります。

森の中では裸足にならなくても、底の厚くない靴であれば十分身体の電気が抜けますのでご安心ください。

私のクリニックでも、近くの円山公園に行った時に患者さんの身体を測定したら、皆さんが林の中に入ったとたん、帯電量が一気に下がり、ました。

帯電障害のある方にこの話をすると、「私は以前からなぜか樹木を見ると抱きつきたくなるのですが、こういうわけだったのですね」と驚かれると同時に納得されます。

また、散歩中に靴を履く場合は、合成ゴムやプラスチック製の絶縁体の靴底のものではなく、電気を通しやすい革靴か電気を流す静電靴が効果的です

静電靴(静電気帯電防止靴)は電子部品組み立て工場や、各種溶剤を取り扱う事業所などで使われるアース機能のついた靴です。これを履いて散策されるのも良いでしょう。

また、山や森など自然の中に入ることで、森林浴効果も加味されてアーシング効果が高まります。森林浴は、フィトンチッドや自然の香り、マイナスイオン効果などによってストレスが軽減されることを期待した自然散策です。

ただ、山の上にも高圧電線や携帯基地局がある場所があるので、そのような場所では尾根に出ると電磁波を浴びることがありますので注意が必要です。

〇アース線に触れる

身体に溜まった静電気を取り除く最も簡単な方法は、冷蔵庫や洗濯機の裏にあるアースコンセントにアース線(絶縁コード)をつないで、直接そのアース線の一端を手で握ったり手や足に巻き付けることです。

アース線は、家電製品の漏電を防ぐためのものですが、電場を削減することもできることから、アース線を通して人体の余分な電気も抜くことができるのです。

電子部品組み立て工場で静電気による電子部品破損を防ぐために使われている「静電防止リストバンド(ストラップ)」を利用し、アース線と接続すると便利です。

コンセントに関しては、Part3で述べたとおりですが、日本の代表的な民間規格である「内線規定」でも接地極付コンセントが推奨されていて、住宅に施設する200Vコンセントには「接地(アース)極付コンセント」を使用することが義務づけられています。

お部屋のコンセントを確認していただいて、アース端子(接地極)付のコンセントであれば、アースを取ることが可能ですが、そうでない場合は、各自が検電器でコールドライン(0v)を検出するか、もしくは自動検出して接続できるアダプター(エルマクリーン、㈱レジナ)をコンセントに付けるか、アース付きコンセント設置工事が必要となります。

また、水道の蛇口に触れて水道を通して地中にアースする方法や、地面に鉄杭を打って直接アースする方法もありますが、オール電化住宅、マンション、送電線が近くに設置されている地域では、逆に帯電することがありますので注意が必要です。

アース端子付きのコンセント

静電防止リストバンド

〇アースシートを使う

アースシートを椅子の上や足の下に敷いて使うことで、パソコンや周辺機器、家電からの電磁波による帯電を防ぐことができます。ただしアース線を付けて前項で述べたようにアーシングをする必要があります。

また、就寝時にアースシートをシーツのすぐ下に敷くことによって、長時間のアーシングが可能となり、その間に身体の血流が回復して自己治癒力が働きますので、安眠や疲労回復に大きな効果を上げることができます。

何度もいいますが、帯電していない時間をいかに長く取るかが、帯電障害からの回復の鍵です。アースシートの良いところは、手軽に持ち運び、コンセントがあればどこでもアーシングができることです。

現在クリニックでは、以前使用していた、新潟の「とやの健康ビレッジ」製の「天通シート」が生産終了となったため、新たにオリジナルの「ひびきシート」を製作して患者さんに使っていただいています。これは導電だけでなく、よりリラックスできるように特殊なエネルギー加工をしてあります。

また、適当な大きさの銅板やアルミ板(箔)を、アース線でアースコンセントと直接つなぐことで簡単にアース板になります。この上で休んだり、座ったりするのもよいでしょう。

〇建物をアーシングする

これまで、たくさんの帯電障害の患者さんをみてきて思うのは、アースさえしていれば帯電を防げるということで、これは極めて当たり前のことです。

たとえば、Part4で触れたパソコンや家電、医療機器が林立する環境であっても、床をアース構造にさえすれば、そこで働く人間は帯電しないのです。

特に気になるのは、子供達です。日本では家庭でもスマホやタブレットを使う生活をしている子供も多く、学校のICT化が進めば、さらに電磁波を浴びることになります。

その意味でも、学校のアーシングは絶対に必要だと思います。

今後建てる建築物には是非、床にアース構造を取り入れていただきたいと思います。

実際アース床構造にして効果が出ているところがでてきています。

参考までに例を挙げると、福岡と東京に、「とやの健康ビレッジ」という会社が一部に床にアーシングを施した新築マンションがあります。

不思議なことにアーシングをした部屋から埋まっていくそうです。

以前、あるグループホームを建築するときに私が相談を受け、床のアーシングを勧めたことがありました。予算の関係で食堂を挟んだA棟とB棟のうちA棟のみに床のアーシングを行いました。

その後入居者が入ってしばらくして、A棟の入居者に体調がよくなる人や、認知症が改善する人が出て職員の間で話題になったことがありました。職員は建築時のアーシングのことを知らなかったのです。

事情がわかったあと、B棟の入居者をA棟にいれたところ、やはり、体調不良や認知症が改善したそうです。

帯電障害の症状として、体調不良、思考力、記憶力の低下はよく認められる症状なので、当然の結果と言えるでしょう。

響きの杜クリニックも、10年前に建築する際に床にアーシングしています。専門家の指導を受けながら、仲間で床に銅線を這わせ、その上に特殊な炭を塗っていきました。

当初は診察室だけの予定でしたが、炭を塗ることがとても心地がよいのです。「もっと塗りたい!」との要望が強く、とうとう2階のホールも含めて全フロアーに炭を塗って、アース構造としました。

その結果、クリニックに入っただけで息が吸いやすくなる、身体が楽になるという患者さんがいます。そして、その体験をもとに自宅を新築またはリフォームする際に床のアーシングを取り入れるケースも増えています。また、近々帯広で開業する発達障害専門のクリニックでも床のアーシングを取り入れており、帯電障害の子供に対する効果が期待されます。

これから医療機関を建てられる先生方には、帯電予防のためにもぜひ床のアーシングをしていただきたいものです。施工できる業者はまだ限られていますので、末尾の参考サイトをご参照ください。

〇風呂に入る

空気が乾燥していると、静電気が帯電しやすくなりますが、肌も同じで、乾燥した状態が続いているとより帯電しやすくなります。

ですから、日頃から毛髪や肌の保湿が大事で、かつ、毎日お風呂に入ってしっかり静電気デトックスするのがお勧めです。

また、バスソルトなどの塩やミネラルを入れた風呂に入ることで、身体の電気が抜けやすくなります。

私のクリニックには、「嵐の湯」という温浴施設があります。温水パイプで温めた50℃の薬石にミネラル成分の豊富な温泉水を散布することで、高温、高湿度空間を作っています。そこに入ると見る見る芯から温まり、普段汗をかいたこともない女性でも汗が吹き出すため、保温、放電効果が高くお勧めです。

〇水分を補給する

また、流水で小まめに手を洗ったり、夏場は海やプールで泳いだり、清流や滝の傍で佇むことなどでも除電効果が期待できます。

屋内の場合も同じで、湿度が高いと静電気が発生しにくく、発生したとしても自然に逃げていきやすくなることから(自然放電)、室内湿度を50~60%くらいに加湿しておくと良いと思います。

身体が水分不足だと帯電しやすいので、ミネラルウォーターや良質の水をこまめに飲むことでも帯電予防になります。ちなみに、新鮮な湧水などは電子量が多いと言われていることから、帯電による電子不足にも効果が期待できると思います。

〇気功やヨガ、呼吸法を行う

これは直接、身体の静電気を抜く方法ではありませんが、気の流れと血流が改善することで、自身の治癒力が十分に発揮させることができます。同時に意識的に呼吸を行うことで、副交感神経が優位となり、心と身体の回復を促します。

一回だけでは、その効果は実感できませんが、連続して行うことで必ず身体が変化していきます。屋外の土の上でアースしながら行えば、さらに効果が期待できます。

私のクリニックでは、気功、呼吸法、ヨガの教室がありますが、会場のホールがアース構造になっており、帯電障害の患者さんにも好評です。