更年期障害ではないかと思っていたCさん

Cさんは62才の女性です。

「座っているとお尻のあたりが急に充血するような感じがして、同時に引っ張られるような感じがして、とても不快」との訴えでした。

もともと疲れやすいのが、最近肝炎を患ってからさらにひどくなっているとのことでした。しかし、診察しても特に目立った所見はありません。

Cさんも不安そうな表情で質問をしてきます。

「この年になっても、更年期障害ってあるのでしょうか?」

「そうですね、更年期障害とはいいませんが、自律神経失調が主な症状ですから、閉経に匹敵するストレスがあれば、何歳でも起こりえますよ。たぶん今の症状は、温度調節の自律神経が乱れて急に熱くなったりするのでしょう。ほかには、何か症状はありますか?」

「とにかくだるくて疲れやすいのです。私はもともと疲れやすいのですが、ここ1~2年、特に精神的にも敏感になってきています。また足がとにかく冷えて、何をしても温まりません。お風呂が好きで入るのですが、すぐまた冷えるのです。ただ、腰と足がだるくなってくると変なのですが、急に自然の中に行きたくなるのです。家の近くの公園に大きな桜の木があるのですが、その近くに行くと、思わず抱きついてしまいます」

そこで、ピンときて、すぐにCさんの身体電圧値を測ってみました。

数値は0.73Vと、やはり高値です。

さっそく、アースシートに足を載せてもらってアーシングをしながら、さらに詳しく話を聞いてみました。

「一年半前に今のマンションに引っ越したのですが、窓を開けたら隣のマンションの屋上に大きな携帯電話用か何かの鉄塔が建っていました」

「お風呂に入ると、とても楽になります」

聞いているうちに、帯電障害の原因と症状が次々に浮かび上がってきました。

そこで、Cさんにアーシングの状態で確認しました。

「今、身体は何か感じますか?」

「私は鈍感ですから…」と言いながらも、「足の裏が温かくなってきました」とのこと。

そして、「身体がホカホカとしてきました」とCさん。

「身体の感じはどうですか?」

「なんか身体が軽くなり、腰も楽です。このような話をすると、そっぽを向かれることが多いのですが、今日初めていろいろと聞いていただけてよかったです。ありがとうございました」

Cさんはそう言いながら、来院時とは違ってホッとした明るい表情で診察室を後にされました。

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