WHOの前事務局長が公表した「電磁波過敏症」

2005年には電磁波過敏症の存在がWHOによって公式に認められました

ノルウェー初の女性首相で、WHOの前事務局長でもあったブルントラント女史が、自ら電磁波過敏症であることを公表したことで、その病名が広く知られるようになりました。

電磁波過敏症は、アメリカの医学者ウィリアム・レイ博士によって命名されたもので、電磁波が原因と考えられる、次のような症状を指します。

1.目の症状:見にくい、目が痛い、目がうずくなど

2.皮膚の症状:乾燥する、赤くなる、できものなど

3.鼻の症状:鼻づまり、鼻水など

4.顔の痛み:顔がほてる、むくむ、水泡、ひりひりする

5.口の症状:口内炎、メタリックな味がする

6.歯や顎の痛み

7.粘膜の症状:乾燥、異常な渇き

8.頭痛:単なる頭痛のみならず記憶喪失やうつ症状まで

9.疲労:異常な疲れ、集中力の欠如

10.めまい:気を失いそうな感覚、吐き気

11. 関節痛:肩こり、腕や関節の痛み

12. 呼吸:呼吸困難、動悸

13. しびれ:腕や足のしびれ、麻痺

一言でいうと電磁波に対するアレルギー反応の総称で、化学物質過敏症との併発率が非常に高く、実に80%近くに及ぶという報告もあります。

電磁波の被爆量と密接な関係があると考えられており、本人のストレス許容量を超えると発症することから、まさに現代病と言えるかもしれません。

ブルントラント女史によると、最初は携帯電話を使うと耳の周辺が熱くなり、次第に症状が悪化して頭痛が起きるようになり、周辺4m以内の携帯電話に反応するようになってしまったそうです。

彼女は小児科医出身でもあることから、電磁波過敏症は思い込みや神経症ではなく、電磁波に過敏に反応する人たちがいることを真剣に捉え、特に子供たちに対しては「予防原則に従って行動すべきである」と強く訴えています。

その根拠は、「平均4mG (ミリガウス)以上の低周波磁界の環境では、小児白血病の発症が2倍ほど増える」という疫学調査の結果や、携帯電話の電波被爆による脳腫瘍発症リスク、さらには脳血流量の低下に関する研究報告なども多数あるからです。

電磁波過敏症の有病率は、スウェーデン、イギリス、アイルランド、ドイツ、オーストリア、スイス、アメリカのカリフォルニア州などで調査されていて、年を追うごとに増加しているそうです。