7月20日は、ピアニストの福田直樹さんのコンサートがクリニックでありました。
福田さんは東京在住で、桐朋学園を卒業され
海外での数々の国際コンクールで優秀な成績を収められたピアニストです。
師匠に「Naokiの手にかかるとどんなピアノでも歌い出す」と評されたほどの腕の持ち主です。
彼のもう一つ凄いところは23年前から毎年全国約80カ所でで福祉慰問コンサートをされていることです。
なかなかできることではありません。
彼は自閉症の子供達を前にしたコンサートが一番緊張すると云います。
自閉症の子供は感性が強いので、まさに真剣勝負だからだそうです。
彼の経験では、自閉症の子供はモーツアルトを聴かせると落ち着かなくなり、
一方バッハを聴かせるととても大人しくなるようです。
ご縁をいただいて以来、年に2回ほどクリニックでコンサートを開いています。
毎回のことですが、彼が椅子に腰掛けたとたん、
まるで何かが降りてきたかのようにピアノが歌い始めます。
福田さんではなく作曲家が降りてきてピアノを弾いているような感覚にとらわれ、
深い感銘を受けます。
そのため、僭越ながら私は彼をイタコピアニストと呼ばさせていただいています。
今回は「音楽の語り部 福田直樹と世界の名曲を旅する」というテーマで弾いていただきました。
企画段階で「ド派手なプログラムを用意しているので、ドヒャー!と楽しいコンサートになると思います。」
と連絡をいただいていたのでどこでドヒャーとなるか楽しみにしていました。
今回は作曲家の血に流れる民族の言葉のアクセントが曲にもそのまま
表れていることをわかりやすく解説しながら演奏されました。
不思議と曲を言葉だと思って聴くとまさに万国共通の言葉が聞こえてきて
より親しみが感じられます。
ユダヤの血が流れるS.バーバーの曲では、ユダヤ人の持つ底力を
滝廉太郎の荒城の月には、大和言葉のもつ心地よい響きを感じました。
最後にホロビッツがアンコールで弾いた曲を耳コピーして演奏してくれましたが、
その複雑で激しい現代曲をいとも簡単に弾きこなす姿を見て、
聴衆一同まさに「ドヒャー」となり、終わってもしばらくその余韻に酔いしびれました。
福田さんは、今年また演奏に来られるとおもいますが、是非一度聴きに来られませんか?
また、今年の10月にポーランドの音楽の旅を企画されています。
ご興味のある方は、こちらをご覧下さい。