医療支援第一日目

4月30日いよいよ被災地医療支援の実質第一日目です。
看護師1名は本部救護室で日勤、
他の3名はチーム響きの杜として
大浦地区、折笠地区にある4か所の避難所を廻ることが出来ました。
山田湾に面した半島の付け根の平坦部にある船越地区では
半島の両側から津波が回り込んで壊滅的な被害を受けていました。
両側にがれきの山が続く道を通り、その奥にある大浦地区の避難所に向かいました。
避難所の大浦漁村センターはやや小高い丘の上にありました。
被災後約2か月を経過しており、
どこもボランティアのスタッフで整然と管理されていました。
日中のため、がれきの後片付けに多くの被災者が外出して不在でしたが、
外では子供たちが元気に遊んでいるのがとても印象的でした。
残っている年配の女性たちに医療支援のチームであることを告げて
困っていることはないかを尋ねました。
初めは遠慮がちにしていた女性も
話をする中で少しずつ心を開き始め、
震災の時から引きずっている不安や、
身体の痛めた部分について話しを始めます。
そこで、TFTの手法を使ってトラウマの軽減をはかりました。
TFT(Thought Field Therapy)とは「思考場療法」といい、
ロジャー・キャラハン博士が1970年代の終わりに発見し発展させてきたもので、
経絡のツボをタッピングすることで心理的問題の症状を改善させていくものです。
手順が簡単な上に、効果が高く、即効性があり(早くて数分)、副作用がなく、
セルフケアに使えるというユニークな特長があります。
最近では、ハリケーンや洪水などの自然災害や戦争孤児の施設への援助、
マラリア治療にも役立てられています。
「これは、経絡のツボを叩いて気持ちを楽にする方法です」と説明しながら、
思考場療法(TFT)の手技を用いて被災女性の身体をタッピングしました。
約3分ほどのタッピングを終えて「どうですか?」と聞くと、
ちょっと考えて「そういえばとても楽になりました、不思議です。」
と急に顔が晴れやかになります。
「他につらいところはないですか?」と聞くと
震災の時に足を痛めた、腰が痛いなど様々な訴えが出てきます。
素早く腰のツボ゙に、クリニックで好評なプラセンタ注射を行い、
そこでいよいよ整体師のスタッフの出番です。
優しく声をかけながら
ゆっくりと身体をほぐして調整していくと、
「あ〜、気持ちがいい、楽だ〜。」と思わず声が出ます。
すっかり症状が取れたのを見て、周りの人たちが、自分も自分もと集まってきました。
その場で心と体が楽になるこれらの手技は、被災者たちにとても喜ばれました。
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