日本統合医療学会北海道支部会

10月20日、第14回 日本統合医療学会北海道支部会が開催され、
一般講演4題の発表と特別講演2題の講演が行われました。
特別講演1は、「食と医の連携で生活習慣病予防と道内経済活性化」と題して、
東海大名誉教授の西村弘行先生が講演されました。
西村教授は、食材の正しい生理機能の検証を通じて、
食による様々な生活習慣病の予防と治療の研究をされています。
多数の成果をあげられていますが、今回はその一部を紹介していただきました。
また食材の調理法にも精通され、ギョウジャニンニク(アイヌネギ)は
冷凍保存し冷たい状態でみじん切りにすると臭いがなくなることを教えていただきました。
特別講演2は「セロトニン体操」と題して、
東邦大学医学部統合生理学教授の有田秀穂先生が講演され、
私が座長をさせていただきました。
有田先生は、脳内の神経伝達物質セロトニン研究の第一人者です。
セロトニンは元気に関わる物質として知られ、欠乏がうつ病と大きく関係しています。
現在はまだ直接セロトニンを増やす薬物はなく、今主流の抗うつ剤(SSRI)は
シナプス間隙に貯まったセロトニンの再取り込みを阻害することでセロトニンの濃度を維持するものです。
ところが有田教授は、日常生活を工夫することで
脳内のセロトニンを産生する神経が活性化することを突き止めました。
教授によれば、
(1)歩行、咀嚼、意識的な呼吸(特に呼気)などのリズム運動をする。
(2)朝の太陽を浴びる。脳にとって太陽の光は効果がある。
(3)人との触れ合い(グルーミング)。
によりセロトニン神経が活性化するとのことです。
響きの杜クリニックで行っていた朝の気功(五環養生操)は、
リズム運動、意識的な呼吸、咀嚼、輪になって手を叩く組場気功と
まさにこの条件を満たしています。
以前、このご縁で有田教授にクリニックに来られたことがあり
今回の講演をお願いしたところ快くお引き受けくださりました。
講演ではセロトニン神経活性化のコツについて、データを交えて解説され、
とても好評で、是非続きを詳しく聞きたいとの声が聞かれました。
翌21日は、支笏湖にある丸駒温泉の露天風呂でゆっくりとくつろいでいただき、
セロトニンと呼吸について話が弾みました。
私も久しぶりにゆっくりと温泉につかりリフレッシュできました。
2012-10-21 12.09.24