山田町での任務

岩手県沿岸部でも
最大級の津波被害を受けた山田町は、
人口19000人のうち
約1000人が亡くなったとされていますが
遺体収容者はまだ600人程度だそうです。
周辺の被災地に比べて
仮設住宅の建設が遅れており、
31か所の避難所で
2800人が避難生活を送っています。
そして避難所以外で
食事支援を必要としている
被災者が1500人います。
津波被害の深刻さに震災直後より
全国から医療支援チームが駆けつけ
活発に活動をしています。
北海道からは、4月7日より
手稲渓仁会病院のチームが
JMAT北海道として参加しましたが、
この時点で市内の医療機関も
仮設の施設で診療を開始しており、
急性期医療を必要とする時期では
なくなってきていました。
このため、JMAT北海道は
保健センターに本部救護室を開設し、
日中、夜間の受診患者の
対応を主に行っています。
夜6時から、各医療支援チームによる
情報共有のためのミーティングが
開催されました。
北海道以外に全国から医療6チーム、
心のケア2チームが山田町に入っており
活発な情報交換が行われました。
その結果、
今回チーム響きの杜の任務は、
4月30日の本部救護室での
日直・当直業務となりました。
その合間を縫って、
4月30日と5月1日は、
医療支援の行き届かない
避難所を廻ることになりました。
いくつものチームが
連携してバトンを渡しながら
運営維持していく
本部救護所での任務の基本は
「他の所で出来ない医療は行わない」
です。
継続性のない医療は、
混乱の原因となり
他のチームへの迷惑に
なりかねないからです。
チーム響きの杜では、
被災者の心と体が元気になれるよう
独自の治療法を準備してきました。
今回その響きあう医療の
実践ができないのでは
という懸念が出発前からありました。
しかし、本部救護所では
標準的な医療を行うものの、
各避難所では響きあう医療を
提供できることが決まり
一同、心からほっとしました。
<4月29日 記>
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