4月29日、低気圧の影響で
まさに余震状態のフェリーに
一晩揺られて朝9時過ぎに無事青森港に到着しました。
桜が満開の東北道を一路岩手県庁を目指して走り続け、
県庁で「災害派遣等従事車両証明書」の交付を受けました。
外に出ると隣の盛岡地方裁判所の構内に
なんと石割桜がありました。
石割桜は日本一の名桜といわれている
盛岡のお国自慢の一つです。
巨大な花崗岩の狭い割れ目から直径約1.35メートル、
樹齢が360年を越えるエドヒガンザクラが生育し、
まさに満開でした。
「思いは岩をも貫く」という
被災地復興のシンボルそのものです。
記念写真をとり、いよいよ目的地の山田町に向けて出発しました。
山間ののどかな山道を一時間半ほど進んでいくと
宮古市に入り、眼下に一面のがれきの山が目に飛び込んできました。
さらに30分ほど南下するといよいよ目的地の山田町です。
道の両側はおびただしいがれきの山で、
ショッピングセンターなどは
1階部分が津波で完全に流されて
無残に鉄骨だけが残っています。
一方ある境界線から上の部分は全く被害がありません。
この差がとても不思議な感じがしました。
深い入り江になっている山田湾に
面した山田地区は同時に火災も起きたため
まさに焼野原となっていました。
ほとんどの家屋は焼け焦げて
跡形もなくなっていましたが、
高台には奇跡的に町役場が
ほぼ無傷で残っていました。
ここに山田町の行政すべての機能が集約し、
本部救護所は隣のセンターに設置されていました。
がれきの中の細い道を通って、いよいよ本部救護所に到着です。