逆腹式呼吸でリラックス

先日、クリニックに地元テレビ局の取材がありました。
その中で私は、寝る前に簡単にできる
リラックスの方法として逆腹式呼吸を紹介しました。
逆腹式呼吸という言葉は、
ちょっと聞き慣れないと思いますので説明しましょう。
私たちの身体には、無意識で身体を調整してくれる自律神経があります。
その作用は循環、呼吸、消化、発汗・体温調節、内分泌機能、
生殖機能、および代謝など多岐に渡っています。
自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスで成り立っていますが、
近年の様々なストレスは交感神経を過剰に刺激するため、
身体が常に興奮状態となりリラックスが出来ません。
その結果、自律神経の乱れは体調の不良となって現れます。
疲れやすさ、動悸、めまい、神経性の下痢、
これが病気の始まりの徴候です。
この段階で気づいて休息やストレスの解消をすることが、
病気にならない秘訣です。
自律神経をリラックスさせて安定させるには呼吸法がとて有効です。
本来無意識に行われている呼吸を意識的にコントロールすることで
自律神経をコントロールすることが出来るのです。
まず、ゆっくりと息を吐くこと、
これは副交感神経を刺激しリラックス効果があります。
また横隔膜を使って呼吸する腹式呼吸は、
呼吸のたびに内臓が動かされるので内臓の血行が促進されます。
この吸気時に意識的に腹を引っ込めるのが逆腹式呼吸で、
これを行うと横隔膜と腹壁で内臓がさらに圧迫され、
マッサージ効果が強化されます。
この時息を吐くときは腹の力を抜いて、
ゆっくりと細く長く吐いていくのがコツです。
さて東洋医学では呼吸は宇宙に存在する気のエネルギーを取り入れる
重要な役割を持ち、同時に呼吸は身体の中の気を動かすためにも使われています。
気功の世界では、会陰から背中を上がって頭頂の百会、
そして前面を下がって会陰に気を巡らす小周天法と、
足裏の湧泉から下丹田を通り、
背中を上がって百会に気を巡らせ、
また前面を下がって湧泉に戻していく
より高度な方法である大周天法があります。
響きの杜クリニックの気功教室で行っている西野流呼吸法は、
この大周天を巡らすものです。
この大周天法をマスターすると、
宇宙の気を自分を通して外に流すことができるようになります。
これを外気といいますが、外気を使えば使うほど
宇宙の気が身体にみなぎって元気になります。
それはともかく、寝る前に逆腹式呼吸をゆっくりと10回ほどしてみてください。
驚くほど気持ちが落ちつきますよ。
是非お試しください。