2008年1月12日から14日まで、今年1回目の坐禅断食会が行なわれました。
チベットで得度された野口法蔵さんが全国各地で実践されている「坐禅断食」です。
今までは野口法蔵さんに札幌に来ていただきましたが、今年からは指導をやめられたため、今回からはクリニックの主催で行なうことになりました。
坐禅断食を今回の経過とともにご紹介します。
坐禅断食は2泊3日の7食抜き断食で、その間16回の坐禅を組みます。今回は13名の参加で、途中で脱落することもなく全員が無事断食を終了しました。
初日の朝と昼は各自で断食をしますが、空腹なのは昼すぎがピークで、夜の集合時には空腹感はあまり感じません。オリエンテーションのあとさっそく坐禅の開始です。二列で向かい合って坐り、半眼で呼吸の数を数えていきます。
坐禅を組んで10分ほどすると身体が安定して大地としっかりとつながる感覚が起き、そして心が落ち着いてすがすがしい気持ちになってきます。こうなるとこのままずーと坐っていたいような気持ちになります。
9時に消灯です。初めての坐禅を組んだ後なのでほとんどの方がこの日はぐっすりと眠ることができます。
第2日目は、朝起きたらすぐに読経です。10分かけて、般若心経・観音経などを読んでいきます。とても心が落ち着きます。その後は坐禅・休息・坐禅・休息・坐禅・休息とあっという間に時間が過ぎていきます。その合間に神宮散歩や、合掌行などの気分転換もあり、あまり空腹感は感じませんが身体の力があまり入らない感じがあります。
3日目の朝は、さすがに身体のだるさを訴える人が多いです。朝の読経もやっとという感じです。
断食直後の空腹感は、飢餓によるものではなく単に胃が空になったというだけのものです。ですからそれを過ぎるとなんともありません。そして3日めになるとようやく身体が飢餓状態になりからだが辛くなります。そうすると身体が飢餓(省エネ)モードに変わるのです。つまり、基礎代謝が下がり、エネルギー代謝が変化してブドウ糖以外のものもエネルギーとして利用されるようになるのです。モードが変わるとあとは普通にまた過ごすことができるのです。7日や14日断食でもこの時期を過ぎるとまた楽になるようです。動物の冬眠はまさにこの状態といえるでしょう。
さて、モードが切り替わったところで終了し宿便を出すのが坐禅断食の特徴です。3日目の朝10時頃から、梅湯(大根の煮汁に梅干を入れたもの)をどんぶり2〜3杯飲んでから、生のキャベツ、人参、カブなどをバリバリ食べます。梅湯や生野菜のおいしさときたら格別です。どんな料理もかなわないほどです。何の手も加えていない自然の恵みに感謝で思わず手が合わさります。
梅湯を飲み始めて1時間ぐらいすると便意を催してトイレで腸内の宿便が一気に排出されます。まさにヘドロのような便が出ます。これがとても爽快なのです。そして便が出ると野菜ジュース、バナナ、チーズ、羊羹などをいただきます。
腸内がすっかりきれいになった実感と、省エネモードのときに血中ブドウ糖が上昇することで、一気に元気が身体中にみなぎります。ほとんどの参加者が気分がとてもハイな状態で帰途につきます。
帰宅後は各自3日かけて徐々に食事を戻していきます。断食後1週間は酒・肉が禁止ですが、断食をすると自分の体質が変わり、身体に悪いものは食べられなくなるようです。
断食は回を重ねるごとにいろいろな気づきが出てきます。
まず食べることへのこだわりがなくなります。今までは、「3食きちんと食べる」ことへのこだわりがありました。そしてきちんと食べないと病気になるという恐怖心がありました。しかし7食抜いても全然何ともないのです。これは大きな収穫です。山で遭難してもパニックになることはないでしょう。
食べることの喜びが改めて分かります。日ごろ自由に食べたり飲んだりしていることがどんなに素晴らしいかを知ります。特に断食明けの1週間、周りを見ると良く分かります。
そしてうれしいダイエット効果が得られます。私自身は断食中からみるみるお腹が引っ込んで、きつくなったズボンがまた入るようになったのがとてもうれしく感じました。(院長)
クリニックでの次回の坐禅断食は2008年4月4日(金)〜6日(日)です。
静かな時間が流れていきます
2日目、神宮散歩 屋台のいいにおいに複雑な表情です
明けの食事は最高のご馳走です
断食終了後の最高の笑顔です。
参加者の感想
長年のブツが排出されて、爽快感満喫しました。食べるものがあり、美味しくいただける喜びを再確認できましたので、食べ物を作ってくださる方々への感謝を感じるとともに、食べることができる健康のありがたさを痛感しました。リタイヤする事なく、達成できて満足です。もう一泊可能な気がします。また、機会がございましたら、是非参加させて頂きたいと思います。
とても楽しかったです。苦しかったのは、三日目の起床時から2時間くらいで、それもお茶を口するとおさまりました。総じて三日間、多幸感があり、特に座禅では、瞑想とは異なる精神の安定を感じました。日常の生活から離れてひとつの事に集中できる貴重な三日間でした。又、参加された方皆さんと仲良くしていただいて感謝しております。
2日目の朝から体がだるくて、常に眠たかった。3日目の朝が起きるのもしんどくて、吐き気もした。しかし座禅をしているうちに、体調が良くなってきた。座禅が終了し、食事ができたとき、とても嬉しかった。座禅断食を通して、今まで気がつかなかった食べることのありがたさを知ることができてよかった。野菜がこんなに甘くて、おいしいということに気付き、今後もこの気持ちを忘れないようにしたい。
4回目の参加ですが、今回はスムーズに出産!!即効でした。明けの食事のうめ湯が最高においしい!!大根も!パンも・・・3日目の朝は、ヘロヘロでしたが、今は元気いっぱいです。法蔵さんがいない3日間淋しいでしたが、皆さんと共に過ごせたことに感謝です。参加者の断食明けの誇らしげな顔を見て、うれしく思えます。
自分がこれまでいかに、食事、甘いもの、カフェインなどに依存していたが分かりました。座禅断食の「陰」から明けの一転「陽」への転換、宿便を出して爽快な気分はなかなか味合う事ができない貴重な体験となりました。ありがとうございました。
身体が楽になりました身体の不調部位が感じられました。トイレに何度も行き、いくたび に身体が楽になりました。
座禅も断食も初めての事で、不安もありましたが、終了した時は、達成感を感じました。明けの食事は日頃当たり前に食べていた事にありがたさを思い出させてくれました。特に、野菜がこんなにも甘いものだったのにはびっくりです。又機会があれば、参加したいです。ありがとうございました。
今回座禅断食に参加して、本当に良かったと思います。
例えば・・・・・
1. 自分ひとりでは大変難しかったであろう断食を、同じように参加している方々から励まされながら実行できる場が与えられたこと。
2.とても気持ちのよい場で実行でき、苦しくても頑張ろうという気持ちになれたこと。
3.とても不安(無事終了できるかどうか)だったのが、無事終了することができ、自分に自信が持てたこと。体に感謝する気持ちが大きくなったこと。食べ物に対する感謝の気持ちが深くなったこと。
4. 面白い方々と出会うことができたことを感謝。
5. こういった貴重な機会を準備、計画してくださった皆さんに深く感謝。
気分爽快です!終わった後、こんなに元気に動けるとはおもいませんでした。今後一週間の養生ができるかな?と思います。
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