高濃度ビタミンC療法は、今注目されている癌の治療法です。これは、ビタミンC 60〜100gを点滴投与し、過酸化水素の生成により正常細胞に影響を与えずに癌細胞の核濃縮・細胞死を誘導するものです。
2005年にアメリカの国立衛生研究所(NIH), 国立ガンセンター(NCI), 食品薬品局(FDA)の共同研究で、高濃度ビタミCが癌の化学療法剤としての可能性があることが発表されて以来、米国では副作用のない癌治療として約1万人の医師・自然療法医・統合代替医療医が導入しています。
文献 1. Chen Q et al: Proc Natl Acad Sci U S A. 2005; 102(38):13604-9
2.Padayatty SJ: CMAJ. 2006 March 28; 174(7): 937-942
しかし、まだ未完成の実験的な治療法であり、これまでに有効とされている化学療法や放射線治療に取って代わる治療法ではありませんが、今後の展開が期待されます。
現状では高濃度ビタミンC療法は次に述べるようなときにのみ適用されるべき治療法と考えます。
(1)従来の化学療法や放射線治療が無効である場合
(2)現在、有効な治療法がない場合
(3)従来の化学療法や放射線治療に併用する場合
(なお、腎機能低下、慢性腎不全で透析中の方は受けられません。)
響きの杜クリニックでは、点滴療法研究会(会長:杏林大学 柳澤厚生教授)の指導の下に2007年12月末からこの治療を開始しました。
【1】 投与計画について
週2〜3回の間隔で点滴を施行します。投与量は血中濃度を確認しながら決定しますが、
ビタミンCの投与量は通常、1回目 15g 、2回目 25g、3回目 50g、4回目以降 75g となります。 なお血中濃度の上昇が不良の時には 100gまで増量します。
次の点滴までの間隔は24時間以上あけることとします。なお癌の進行が強い場合には週5〜7回点滴をします。どのぐらいの期間にわたって投与を継続するかについてはまだ確立されていないため、ご本人と相談の上決定します。一つの目安として最初の1年間は週2回以上とし、経過が良ければその後3〜6ヶ月は週1回、さらにその後の経過も良ければ、週1回あるいは隔週の投与とすることが提案されています。
【2】 副作用について
今までの経験では高濃度ビタミンC治療の副作用は稀ですが、本治療の潜在的な副作用については常に念頭において対応していきます。
【3】 その他
高濃度ビタミンC治療を除く毎日、1日6gのビタミンC錠剤の服用していただきます。
【4】 費用について
健康保険の適応にならないため自費となります。
ビタミンC点滴 15g 11,500 円 25g 12,500円 50g 15,000円 75g 17,500円 100g 20,000円
ビタミンC血中濃度測定 1回 3400円 酸化ストレス度及び抗酸化力測定 6300円
高濃度ビタミンC療法について、詳しく知りたい方は一度、響きの杜クリニックを受診してください。