高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度ビタミンC点滴はどんなもの?

がん治療

高濃度ビタミンC(アスコルビン酸)点滴療法は、副作用のないがん治療・予防の方法です。
血液中に高濃度のビタミンCを直接投与していくので、血液中ビタミンC濃度を20倍~40倍以上に増やすことができます。血管内にビタミンCを行き渡らせることができるため、ビタミンCの生体利用効率を最大限に高めていくことができます。

2005年にアメリカの国立衛生研究所(NIH),国立ガンセンター (NCI),食品薬品局 (FDA)の共同研究で、高濃度ビタミンCが癌の化学療法剤としての可能性があることが発表されて以来、米国では副作用のない癌治療として約1万人の医師・自然療法医・統合代替医療医が導入しています。

美容(アンチエイジング)

高濃度ビタミンC点滴療法は、最初はがん治療として始まりましたが、アンチエイジング・免疫力サポートを目的として取り入れている方も増えています。

ビタミンCは、抗酸化作用をはじめ、身体を構成するためのコラーゲンの合成など、たくさんの美容作用(アンチエイジング効果)を持っています。

ビタミンCの作用について

ビタミンCは、抗酸化作用をはじめとして、身体の様々な生理作用にも関わっています。

免疫力を高める

ビタミンCは、白血球の働きを強化し、免疫力を高めてくれます。

抗酸化作用

ビタミンCは抗酸化ビタミンと言われるように、活性酸素から細胞を守る作用があることで知られています。

がん予防

がん予防にビタミンCは注目されています。高濃度では抗酸化作用でがん細胞の発生を抑えてくれます。

疲労回復

ビタミン剤の経口内服に比べビタミンCの血中濃度を効率よく高めるため、疲労倦怠感の回復に即効性があります。また、日々のストレスによる活性酸素の発生を抑えてくれます。

美容作用

ビタミンCは、美白(メラニン色素の抑制)、ハリと弾力(コラーゲン・エラスチンの合成)、保湿(セラミド生成促進)、ニキビなどの肌トラブルの改善などの様々な美容作用を持っています。

 

高濃度ビタミンC点滴が作用するメカニズムについて(がん治療)

がん細胞に作用する「過酸化水素」

ビタミンCは抗酸化物質なので、自分自身が酸化されて、そばにある物質を還元します。その過程で過酸化水素が多量に発生します。この過酸化水素ががん細胞を破壊するということがわかっています。がん細胞はこの過酸化水素に対する耐性を持っていません。ビタミンCががん細胞のところにまで届き、そこで酸化されることで過酸化水素が発生して作用していきます。

正常細胞には無害な「過酸化水素」

がん細胞にとっては、有毒な過酸化水素は、正常細胞には作用しません。それは、正常細胞が、カタラーゼなどの過酸化水素を分解する酵素を持っているためです。この酵素の働きによって過酸化水素(H2O2)が水(H2O)と酸素(O2)に分解されます。これらは身体に無害な物質なので、正常細胞は過酸化水素の影響を受けません。また、血管内の血液中でも赤血球が持っているカタラーゼなどの酵素で水と酸素に分解されます。

これが副作用のない身体にやさしいがん治療と言われる理由です。

高濃度ビタミンC点滴と経口(口から摂取)投与の違い

経口投与

ビタミンCを通常、サプリメントなどで口から摂取した場合、水溶性のため余剰分がすぐに体外に排出されてしまいます。そのため、血液中に吸収できる限界(飽和限界)を超えて大量に摂取することは、難しいとされています。

高濃度ビタミンC点滴

高濃度ビタミンC点滴は、血液中に高濃度のビタミンCを直接投与していくので、血液中ビタミンC濃度を20倍~40倍以上に増やすことができます。血管内にビタミンCを行き渡らせることができるので高い効果が期待できます。

治療方法について

月1~2回の間隔で点滴を行います。投与量は血中濃度を確認しながら決定します。
ビタミンCの投与量は通常、25g(50分)、50g(90分)、75g(120分)となります。なお、治療中は体内のとビタミンC濃度を適時測定していきます。

療法を受けられない方・副作用について

G6PD欠損症

G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は治療を受けることができません。G6PD欠損症がある場合は必ず主治医に告げてください。当院では、50g以上のビタミンC点滴を行う前に必ずG6PDの検査を行います。(検査代が別途かかります)。

腎不全

腎不全で透析中の方はこの治療を受けることはできません。

その他

心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方は、点滴で水分を血管内に入れることで病状の悪化を来す恐れがあるため、この治療ができない場合があります。

副作用について

高濃度のビタミンCを点滴することで、点滴中に血管痛や脱水症状、口混、めまいなどの症状が起こることが報告されています。当院ではハーブティなどを用意し、脱水予防に対応しています。

費用について(価格は税込)

健康保険の適応にならないため自費診療となります。

ビタミンC点滴

  • 25g           13,750円
  • 50g        17,600円
  • 75g        20,900円
  • 100g      24,200円

血中濃度測定

  • 1回 3,740円

G6PD検査

  • 8,800円

サプリメント

高濃度ビタミンC点滴を推奨している点滴療法学会は、補完サプリメントとして「リポカプセルビタミンC」を使用することを推奨しています。

「リポカプセルビタミンC」は、従来の経口摂取する錠剤や粉末に比べ消化酵素に分解されづらく、ナノカプセルに包まれた成分を100%近く血中に届けることが期待できるサプリメントです。

高濃度ビタミンC点滴を受けていない方でも、ビタミンCの高吸収を目的として飲んでいただくこともできます。

※クリニック2階ショップ「ポポロ」で購入できます。

リポ-カプセル-ビタミンCについてはこちらから